ベンチャーファイナンス(1)
- 創業初期のスタートアップ企業の資金調達の中心は、株式を利用した直接金融によるものであり、その調達先としては、①創業者・経営陣、②親族、③知人や友人などのエンジェル投資家、④VC、⑤事業会社等である。
- 最近の特徴として、創業者・経営陣以外からの資金調達をする際、普通株式にはない様々な優先的・リスク防衛的な権利内容を織り込んだ種類株式を発行するケースが多く、種類株式の価格は、当該権利内容の経済的価値が反映されるため、普通株式より高く設定されている。
- さらに、外部投資家に対して種類株式を発行した後に、経営陣や従業員等に対して、事業の成功への意欲向上等を目的に、株式公開等、当該企業が成功した時のインセンティブとして種類株式よりも安価な普通株式の価格を権利行使価額としたストックオプションを発行することが多い。
主な種類株式の種類及びその権利内容
- 米国においては、多くの州が会社法のモデルとしている模範事業会社法にて、定款で規定できる種類株式の内容が以下のとおり例示されている。ただし、これは、発行可能な種類株式の例示に過ぎず、発行企業は、種類株式の権利内容を自由に設計することができる。
種類株式を発行するメリット
- 種類株式の発行に当たって、出資者である投資家及び発行体であるスタートアップ企業の双方のメリットについて検討する。
参考文献