公認会計士 中田博文のブログ

M&Aの財務税務DDと価値評価を考えながら整理していきます。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

無形資産の識別

PPA

無形固定資産の識別時の視点 買収目的:対象会社のどの機能に着目して買収を実行したのか? 収益の源泉:対象会社の収益の源泉は何なのか?何から超過収益を獲得しているのか? 参考文献 無形固定資産の評価実務- M&A会計における評価とPPA業務 (日本公認会…

PPAの関与者間の関係

PPA

業務の外部委託 PPA業務は専門性の高い業務であるため、PPA支援業務を外部に委託する M&Aの買い手企業の会計監査人は監査の独立性の観点から、評価業務を実施することができない。 そのため、買い手企業は会計監査人以外の評価専門家に依頼することになる。 …

PPAのタイミング

PPA

ポストPPA (必須) 企業結合日以降一年以内に完了することが求められている。(企業結合会計基準28項) PPAの評価対象となる資産・負債が多ければ多いほど、PPA報告書の作成に費用と時間を要する。 さらに、PPAの評価結果は見積もりの要素を多く含むため、それ…

PPA(2)

PPA

質問の回答

PPA(1)

PPA

PPAのよくある質問 Q1 赤字会社を買収した場合、無形固定資産の識別対象となる項目がないため、PPA手続きは必要ない。 Q2 買収時に存在する顧客リスト(既存顧客)だけでなく、クロージング以降、増加が見込まれる顧客リスト(新規顧客)も無形固定資産の識別・…

ベンチャーファイナンス(4)

前提条件 各株式の発行条件とその内容 2019年6月末の評価 企業価値:$15,654,000 2020年6月末の評価 企業価値:$36,437,000 参考文献 起業のエクイティ・ファイナンス 磯崎哲也 (日本実業出版社) 経済産業省 「未上場企業が発行する種類株式に関する研究会…

ベンチャーファイナンス(3)

アプローチの選択 実務対応報告では、以下の2つのアプローチが記載されている。 株式価値の配分方法の選択 実務対応報告では、優先株式に付与された経済的権利及び支配に関する権利に基づいて企業価値を優先株式と普通株式に配分するという考え方が採用され…

ベンチャーファイナンス(2)

優先株式のメリット <前提条件> 種類株式の価値算定の考え方 種類株式と普通株式とでは発行目的や発行先が異なり、何より付与されている権利内容が異なるために別個の価格体系が存在する。 米国では、従来より、普通株式の評価を直近の種類株式の発行価格の1…

ベンチャーファイナンス(1)

ベンチャーファイナンスの特徴 創業初期のスタートアップ企業の資金調達の中心は、株式を利用した直接金融によるものであり、その調達先としては、①創業者・経営陣、②親族、③知人や友人などのエンジェル投資家、④VC、⑤事業会社等である。 最近の特徴として…